バイオマスプラスチックのメリット
一般的なプラスチックは石油等の化石資源を原料としますが、バイオマスプラスチックは再生可能な有機資源からつくられるため、バイオマスプラスチックには以下のメリットがあります。
カーボンニュートラル
バイオマスに含まれる炭素分は、原料となるバイオマスがその成長過程において大気中のCO2を固定したものであるため、バイオマスを再生産する限りについては、バイオマスを焼却しても大気中のCO2は増加しないという特性があります。よってバイオマスを原料とするバイオマスプラスチックには焼却処理する際に排出されるCO2の抑制に寄与することが期待されます。
化石資源の使用削減
再生可能な有機資源を原料とするため、化石資源をはじめとする枯渇性資源の使用を削減することができます。
生分解性プラスチックのメリット
生分解性プラスチックは、微生物等によって比較的短時間でCO2と水にまで分解されるため、以下のようなメリットがあります。
環境中に滞留するプラスチックごみの削減
本来は、使用後において、自然環境へ流出させてはいけないものの、その使用特性上、意図せず海域等の自然環境へ流出してしまうおそれがある製品用途においては、生分解性プラスチックを使用することで、環境中に流出した場合でも比較的短時間で分解され、長期間残留することを防ぎます。
廃棄物処理の合理化
以下のような用途に生分解性プラスチックを使用することで、従来に比べて廃棄物処理の手間やコストを減らすことができる場合があります。
例:生分解性プラスチック製の袋で生ごみを回収し、袋ごと堆肥化・バイオガス化を行うことができます。排出段階では衛生的にごみを出すことができ、処理段階では非分解性の袋を使う場合に比べて破袋・除去工程を省くことができコスト削減につながります。
例:生分解性プラスチック製の農業用マルチフィルム(畑を覆うプラスチックフィルム)を使用することで、使用後に土壌に漉き込んで土中で分解させることができます。これにより使用後にフィルムを回収して処理する手間やコストを省くことができます。
積極的なバイオプラスチックの導入が期待される用途例
脱炭素社会と循環型社会の実現に向けて、2050年までに多くの化石資源由来プラスチックをバイオプラスチックに置き換えていくことを目指しています。
バイオプラスチックの導入が期待される用途は、ほぼ全てのプラスチック製品領域とも言えますが、特に写真に示すような用途例において、積極的な普及が期待されます。
- バイオマスプラスチック
・衛生上の面等から、焼却処分せざるを得ない用途 - 生分解性プラスチック
・海洋や土壌の自然環境にやむを得ず流出するリスクが高い用途