プラスチックの資源循環を促進するためには、プラスチック使用製品の設計の段階(試作・製造の前段階を含みます。)における3R+Renewableの取組が不可欠です。具体的には、プラスチックの使用量の削減、部品の再使用、再生利用を容易にするためのプラスチック使用製品の設計又はその部品若しくは原材料の種類の工夫、プラスチック以外の素材への代替、再生プラスチックやバイオプラスチックの利用等の取組を促進することが重要です。
本制度では、「プラスチック使用製品設計指針」において、あらゆるプラスチック使用製品の製造事業者等の皆様が取り組むべき事項及び配慮すべき事項を定めました。
また、本指針に則した製品の設計のうち、特に優れた設計を主務大臣が認定する制度を創設しました。
国は、認定を受けた設計に基づき製造されたプラスチック使用製品(認定プラスチック使用製品)について、グリーン購入法上の配慮をすることやリサイクル設備を支援すること等により、認定プラスチック使用製品の利用を促していきます。
プラスチック使用製品設計指針
プラスチック使用製品の設計に当たって、プラスチック使用製品製造事業者等が取り組むべき事項及び配慮すべき事項は、以下のとおりです。
(1) 構造
①減量化
- できるだけ使用する材料を少なくすること
②包装の簡素化
- 過剰な包装を抑制すること
③長期使用化・長寿命化
- 製品全体の耐久性を高めること
- 繰返し使用に耐えるものとすること
- 部品を容易に交換できる構造とすること
- 容易に修理することができるようにすること
④再使用が容易な部品の使用又は部品の再使用
- 再使用が容易な部品を使用すること
- 部品の再使用をすること
⑤単一素材化等
- 製品全体又は部品ごとの単一素材化又は使用する素材の種類等を少なくすること
⑥分解・分別の容易化
- 部品ごとに容易に分解・分別できるようにすること(リチウムイオン蓄電池とその他の部品等とを容易に分解・分別できることが望ましい。)
- 部品等を取り外すまでに必要な工程数ができるだけ少なくなるようにすること
- 使用されている材料の種類の表示を行うこと
⑦収集・運搬の容易化
- 可能な限り収集・運搬を容易にするような重量、大きさ、形状及び構造とすること
⑧破砕・焼却の容易化
- 再使用又は再生利用が難しい部品等については、破砕や焼却の容易化に配慮すること
(2) 材料
①プラスチック以外の素材への代替
- プラスチック以外の素材に代替すること
②再生利用が容易な材料の使用
- 再生利用が容易な材料を使用すること
- 材料の種類を減らすこと
- 再生利用を阻害する添加剤等の使用を避けること
③再生プラスチックの利用
- 再生プラスチックを利用すること
④バイオプラスチックの利用
「バイオプラスチック導入ロードマップ」を
踏まえ、- バイオマスプラスチックを利用すること
- 生分解性プラスチックを利用すること
(3) 製品のライフサイクル評価
- プラスチック使用製品に求められる安全性や機能性その他の用途に応じて求められる性能並びに(1)構造及び(2)材料に掲げる事項について、それぞれがトレードオフの関係となる場合があることにも留意しながら、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷等の影響を総合的に評価すること
(4) 情報発信及び体制の整備
- 企業等のホームページ、製品本体、取扱説明書等に、必要とされる範囲で、
①製品の構造
②部品の取り外し方法
③製品・部品の材質名
④部品の交換方法
⑤製品・部品の修理方法
⑥製品・部品の破砕・焼却方法
⑦製品・部品の収集・運搬方法
⑧処理時における安全性確保及び環境負荷低減のための注意事項
等の情報を記載すること - こうした情報に関して、プラスチック使用製品を廃棄又は修理・部品交換を行おうとする者等に対し、プラスチック使用製品の構造、部品の取り外し方法、プラスチックの種類等の情報を提供することができるような体制整備を図ること
- 本指針に則した設計を実施するため必要な人員を確保すること
- プラスチック使用製品の設計に係る取組の状況を把握し、その情報の開示を積極的に行うこと
(5) 関係者との連携
- プラスチック使用製品製造事業者等と材料・部品等の供給者、再商品化事業者、再資源化事業者、プラスチック使用製品を使用及び排出する事業者、消費者、国及び地方公共団体等との間で相互に必要な協力を行うこと
(6) 製品分野ごとの設計の標準化並びに設計のガイドライン等の策定及び遵守
- 業界団体等における製品分野ごとの設計の標準化や設計のガイドライン等の策定を実施すること
- 業界団体等における製品分野ごとの設計の標準化や設計のガイドライン等の策定が実施されている場合には、当該ガイドライン等を遵守するよう努めること
設計認定制度
主務大臣は、同種の製品と比較して特に優れた設計を認定し、認定プラスチック使用製品は、グリーン購入法上の配慮や製造の用に供する施設・設備の支援等を受けることになります。
プラスチック使用製品の設計の認定(設計認定)を受けるためには、国が指定した指定調査機関にプラスチック使用製品設計指針への適合性についての技術的な調査(設計調査)の申請を行う必要があります。提出された書類等に基づき指定調査機関が設計調査を行い、調査結果を国に通知した上で国が設計認定を行います。
設計認定のスキーム
指定調査機関
プラスチック資源循環促進法に係る指定調査機関は、令和6年6月24日現在、以下のとおりとなっております。
指定調査機関の名称 | 指定調査機関の住所 |
---|---|
公益財団法人 廃棄物・3R研究財団 |
東京都墨田区両国 3-25-5 |
一般財団法人 ボーケン品質評価機構 |
大阪府大阪市港区築港 1-6-24 |